概要

元々、地元の工務店に依頼して車椅子ユーザーけのお家を建てられてたM様。この動画では、不自由さを感じリフォームした箇所と、これから家づくり・リフォームをお考えの方へのメッセージについてお伺いしました。これから家づくりをされる、当事者・当事者家族の方は障がいについての理解が深い工務店に依頼をするようにとアドバイスをされています。

1 住宅改修のきっかけ

私は2歳のときにカリエスという病気にかかりました。いったんは歩けるようになりましたが再び、小学校の5年生のときから歩けなくなり、中学校3年生までは松葉杖をついて歩いてたんですが、その後は 車椅子の生活で生活をしています。
両足が動きません。若い頃は少し立ったりできていたんですが年をとるごとにどんどんとやっぱり力がなくなり、今はまったく立てない状態です。

結婚を機にこの家を建てました。
もともと車椅子で生活するために地域の工務店さんにお願いして建てたんですが、建てるまでは私たちを神戸で住んでいて、そばで見ていなかったりしていたので、ところどころ不都合なとこがでてきました。それで少しずつ改修したりするので アーサさんにお願いしました。

2 改修の内容

まず改修していただいた場所はお風呂なんですが、いらないところに手すりがありました。

それと上がる所が真っ平らになっていて、車椅子の前の部分(ふっとレスト)が邪魔になって間があくんですよね。
その部分に鉄板をつけていただいて、 25センチくらいのことなんですがそれをつけていただいたおかげで ずいぶん乗り降りが楽になりました。

それと もともとはスロープで裏から出入りしておりました。
でもやっぱり玄関からの出入りということでアーサーさんには昇降機を取り付けていただきました

自分である程度のことはできるようにということで、リフォームも何回かアーサさんにもお願いしてやってきたんですが、私が暮らしやすいということは、やっぱり年のいった母もこの状況になかで暮らすことができました。
兄も(脳)梗塞を患って半身が悪くなったんですが、問題なく生活が出来ました。

やっぱりこのように車椅子で生活がしやすいようにということはすべての人に生活しやすいということがわかりました。

3 改修のポイント

地元の工務店に依頼して新築されましたが、施工会社の福祉住環境に対する知識不足に加えて、打合せが上手く出来ていなかったことで、完成当初から不便な箇所がありましたが、身体的な能力でカバーされてきました。

しかし、お年を重ねるごとに体力が低下し、不自由さを感じられるようになり、リフォームのご相談に至りました。

Before
After

外出時のアプローチについては、主に勝手口のスロープを使っておられたので、玄関からも出入りができるように屋内型の昇降機を設置することを提案しました。

また、日常の多くの時間を過ごされるLDKについては、使わなくなった元仕事部屋をリビングと一つにして、明るさと広さを確保しました。

浴室については車椅子からの移乗を考え、新築時から床面より40㎝上げて施工されていましたが、排水位置が通常の住宅と同じ浴槽側にあったため、浴室床面から浴槽の縁まで17センチ程度の高さがあり、また、浴室内には立位が可能な方が使用するような手すりが設置されていました。窓については一般のサッシが使用されていたので、カギが浴槽内部からは届かず、窓の開け締めが出来ない状態でした。

改修案として、排水位置を浴槽と逆側に設置し直すことで、浴槽を下げ出入りの負担を軽減しました。窓については大きいものに散り替え、カギを低い位置に付けることで、窓の開閉がスムーズに出来るようにしました。

また、車椅子から浴室への移乗時に、フットレストが壁に当たり、浴室と車椅子の間に、隙間が出来ることを考慮して、ステンレスを特注加工して跳ね出し出来る金物を制作しました。それを壁に取り付けることで移乗を安全にスムーズに出来るように提案しました。

トイレについては掃除の際に床に水を流せるように床面に排水口があり、敷居とタイルの床面に2㎝弱の段差がありましたが、水を流して掃除することが無いということなので、使用されていない排水を撤去、タイル面を解体し、床組をして、水回り用の床材施工し段差解消を行いました。施工にあたり使い慣れておられた手すりは、既存の手すりを使用して施工しました。

5 これから家づくりを考えている方へのメッセージ

私の今来ていただいているヘルパーさんからお聞きしたんですけども、障がいを持っておられる娘さんがいらっしゃる方が家を新しく建てられたそうなんですが、やはりお風呂は親御さん またはヘルパーさんの手を借りて入っている。それと 玄関からも車椅子で出入りができないっていうようなことをお聞きしたんです。

けれども、これからやはり自分でできることを増やしてあげないと、いつまでも親御さんはいらっしゃらないですし、まして歳を取ってきたらそういう介護の方も大変になってきます。

うちのお風呂を見ていただいたように、自分で入れるようにしてあげているとその辺が安心できるのではないでしょうか。

これから、家を建てられる方はそれぞれの障がいによって違うと思いますが、よく知っている方にやっぱり相談される方がいいと思います。

私もそうですけども 障がいというのは歳とともにやはり重くなっていきます。前ができてたことができなくなってきました。
力も弱ってきて 肩が痛いとかいうこともありまして、できないことがどんどん増えていきます。そのためにも やはりリフォームっていうのは大事になってくると思います。

6 福祉住環境を学ぶ方へ

車椅子ユーザーの方への改修計画では、使われている車椅子の回転寸法や前後バランスを把握し、ご本人の体感や筋力による車椅子の操作状況を考慮した上で、日常の動線をより動きやすくする計画が求められます。その際に、家の間取りを客観的に捉えて、空間スペースを出来るだけ広く活用して、日常生活の質を上げていくことを考えて下さい。

建設会社の多くは、車椅子ユーザーの方の住宅建設の経験が無いために、一般的な建設をベースに設計してしまう傾向が見受けられますので、その点をフォローしながら、ご本人の意向をうまく改修計画に取り入れるように進めて下さい。

特に浴室の計画では、一般的なユニットバスなどの使用が難しいケースもあり、浴槽へのアプローチを考えるにあたっては、公共のリハビリテーション施設等にある浴槽で、実際にシミュレーションして見ることも検討して見て下さい。

福祉機器を上手く活用し生活の質を向上させて、楽しく暮らしていただけるように、ご本人と一緒に寄り添いながら考えて行きましょう。

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