概要

脳性麻痺のお子様二人を育てられているご両親に住環境に関してお話をお伺いしました。障がいを持つお子さんの成長に伴って、ご両親の介護負担は変化します。介護負担を軽減するための工夫(住宅改修の内容)を紹介して頂きます。

1 住宅改修のきっかけ

うちの息子は足とか身体が不自由で、どうしても介助がするのが大変ということで車で帰ってきたりした時に家の中に入れるのに2人がかりで足を持って連れて入ったりしていたんです。

階段を上って家の中に入れるという動作が、子どもの体が大きくなってきて大変になってきたんで、その時にちょうどアーサさんにリフォームの依頼をしました。

その時にアーサさんから「玄関を2つにしませんか?」というお勧めがあって、それで(玄関の横に)リフトをつけましょうという話からリフォームが始まりました

2 外構リフォーム

2-1 カーポート

結構重くなってきたので玄関に昇降機をつけてもらったりして、抱えることなく家の中に入れることができるようになったのでですごく助かってます。

カーポート
カーポート
平面図
平面図

車から降りてすぐに玄関に入れるというのが一つの良かった点です。その時にカーポートも一緒にしてもらって、雨の日に濡れないというような工夫をしていただきました。また、カーポートを少し長くして、デイサービスのお迎えを雨の日でも外で待てるというように工夫していただきました。

2-2 昇降機

車いす昇降機

車から降りたときにちょうどリフトのところに降りることができるので、あんまり抱きかかえなくても外から家の中に入れるっていうのはすごい助かります。

今現在、外には車椅子で行きますが家の中はハイハイという状態で動けるので、今現在は入り口で靴の脱ぎ履きができるように少し低い位置でリフトが止まるように設定してもらっていますが、まったく体が動けなくなった時には車椅子のまま家の中に入れるようにも考えていただいてます。

2-3 ポイント解説

改修前の外構の状況は、 10年前に住宅メーカーで建てられたままの状態でした。その時にはスロープで玄関までアプローチし、玄関ポーチの階段ではご両親の介護負担が出てくるということがありました。

今回の改修にあたって重要視したことは、ご両親の 介護負担の軽減はもちろん、ご兄弟のできることを少しでも増やしてあげたいという点です。

その為にスロープを解体して全体のスペースを広げるそして動線を確保した上で昇降機を入れるという提案をしました。
昇降機を入れるにあたってお二人のお子さんのADLは、お二人とも座位がしっかりしており、家の中でいざって(膝をつかって)移動できます。

そこで靴を脱ぎ履きするために、ひざ下の長さある40センチ下で昇降機を止めることにし、将来はADLに合わせて部屋の高さまで上げられるタイプの昇降機をセレクトしました。その上で靴を脱げるスペースをデッキで設け、スイッチもうご本人たちが押せる高さにすることで、ご自身でも押せるようにしました。

お二人の生活パターンを考えて作業所に通われるときに、雨に濡れないようにするためにカーポートの延長を提案、また、ヘルパーさんが来られた時の駐車スペースの確保もできるように工夫しています。

3 浴室・脱衣所

お風呂場と洗面所については、洗濯機が動線の邪魔になっていましたが、その洗濯機の位置を変えることで動線が確保できました。

また、昔のタイプのお風呂だったので段ががあり、子どもがどうしてもハイハイでいったときに行きづらかったので、段差のないお風呂に改修していただきました。

家を建てた時は子供がまだ小さくて小学校に入る時だったので、 全然違和感なく洗面所もお風呂も移動はできてたのですが、成長して背も高くなり 大きかったなと思うのも小さくなってきてしまったので今回改修させてもらってすごく使いやすくなりました。

ポイント解説

浴室周りの改修にあたっては浴室位置が入り口の正面に位置しており、浴槽へアプローチで体を浴槽側に90度反転させる必要がありましたまた。また、入り口には段差もあり浴室への導線も洗濯機が入り口側にあったりと少しアプローチがしにくい状態にありました。

そこで今回ご提案したのが 「①入口の段差を解消」して「②開口部を少し広げる」その上で「③浴槽の位置を入ってすぐ右側(移動)」の3点。このことによって動線が大きく改善されます。

また、冬の寒さを軽減する為に浴室だけではなくて洗面にも暖房を設置し空間の確保はもとより快適に過ごせるような提案を同時にさせていただきました。

4 トイレ

トイレは家を建てたときからちょっと大きめで建てていたので介助はしやすかったんですけれども、手すりがなかったので持つところがなく丸抱えっていう形でトイレに座らせていました。

バーや手すりをつけていただいたことによってそこを片手でも持ってしてくれるので介助がすごく楽になったと思います。

ポイント解説

トイレでは便座を開ける動作があり、ご本人たちが便器に上がるまでの動作は奥の手すりだけに頼っていました。

そこで今回トイレに入ったときにオートで開閉する便座に取り換えて、手前側にもはね上げの手すりを設置し動作をよりしやすくさせていただきました。

5 これから住宅改修をされる方へ

私らが考えたのは少しでも楽にということです。

腰を痛めてからだと、もういくら改修しても介助ができないとい状態になると思うんです。なので、少し早めに、少ししんどいなと思って思った時に色んなところに相談して自分のとこには何がいいのかを一緒に考えていただいて改修をすると本当に親も子供も楽に生活ができるかなとは思っています。

リフトをつけるということで我が家はすごく助かっています。ただ階段の段差だけをちょっとさわる 小手先だけじゃなしに根本から色んなことを 楽をできるということを考えていただいた方が、子どもだんだん動きづらくなるし親も年をとってしまうので、ちょっと早いめかなと思う時に改修をおすすめします。

その方が介助する方もされる方も楽だと思います。

6 福祉住環境を学ばれている方へ

ご両親の介護負担がある場合は、ご本人が無理な動作になっていることも多く見受けられます。怖さが身体の緊張につながるということで介護動作が難しくなってしまう。

(子どもが)小さいころからの介護動作の慣れが、やはりどうしても介護の悪循環を招くということもよく見受けられます。

住宅の場合に現状にとらわれているケースが多いと思うのですが、一度ゼロベースで考えてもらうことというのも非常に大事ではないかなとは思っています。

その上で例えば壁を抜いたりという構造に関する部分の不安というものは建築会社の方にご相談いただいたらいいかと思います。

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ご相談に対する、費用は一切かかりませんので、お気軽にお問合せ下さい。

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