1 住宅改修のきっかけ

私は高い所から落ちて腰の骨を折って、車椅子で生活をするようになりました。

屋外は車椅子で移動しますが少しなら歩いたり立ち上がったり出来るので家の中ではなるべく車椅子を使わずに家具や手すりを頼って歩くようにしています。

一人暮らしを始める為に公営住宅の車椅子常用世帯向という部屋に申し込みをしました。そちらの部屋は元々10帖の洋室 4.5帖の洋室、そして6帖の嵩が上がった畳の部屋と募集要項には書いてありましたが、実際 入居前の内覧という段階になって来てみるとその和室は無く全部フラットな10帖と4.5帖と6帖の部屋という状態でした。

前に入居されてた方が 和室の使い勝手が良くなかったみたいで撤去されてたみたいなんですが、私自身は膝の高さまである和室にとても魅力を感じて申し込んだ部分もあって、アーサさんにどうにかならないですかっと相談をさせていただき実際に嵩が上がった部屋を作っていただきました。

2 改修の内容

ドアの出入り口や手すりを実際に付けていただいたり、一番大きいのはこの和室の部屋を新たに作っていただいたってところです。

また、水回りについても ちょっと手入れをしていただきました。トイレと洗面脱衣場、お風呂が一体になってるようなタイプの水まわりなんですが、一体になっているだけあって冬場は本当によく冷えるお風呂です。でも逆に広さは十分にあるので車椅子でも使いやすいとは思います。

私は実際には立って歩いて生活しているっていう部分が大きいので、洗面所も元々付いていたものは堀込式といって車いすでも洗面所の下まで入り込めるような洗面台だったんですが私の場合は逆に足とかお腹とかで洗面所にもたれかかることのできるように替えていただいたり、イレはウォシュレットをプラスで設置してもらいました。また、シャワーと浴室の動線がちょっと移動が多かったりした部分もあったので、浴槽から上がった所で洗うことができる位置に変えてもらって使い勝手はすごく良くなったなっていうふうに感じてます。

3 実際に生活してみて

ここの部屋は1階なんですが、やっぱり冬場はすごく冷えます。

かなり寒さの対策っていう観点から考えても、ちょっと床から上がってる分、また畳という部分でこの和室は大きい効果があるんじゃないかなと感じています。

私自身は実際 自分自身で体温の調節ができなかったり、寒いとか暑いとかっていうことを実際に感じにくい体でもあるので、前もって心がけてケアする必要があるのは分かっているんですがそのケアが遅れてしまうことが多いんですね。

この畳の部屋っていうのは 友達が来て実際に使ってても、ここの部分 「だいぶ上がっている分暖かいよ」とか教えてくれたりしてこの畳の部屋で「ちょっと昼寝させて」みたいな感じで寝て帰ってくれたりとかしてすごく良いくつろぎの場としても用いられていると感じてます。

4 改修のポイント

改修前は、嵩上げされた和室は解体され段差は無くなっていましたが、ご本の身体状況から、嵩上げした空間が欲しいとの要望で、改めて和室を作りました。

設計のポイントとして賃貸なので、退室時にすぐに撤去できるように工夫し、元々の6畳の和室に戻すのではなく、ベッドスペースを設け、畳から介護ベッドへ同じ高さで移譲出来るようにしました。

トイレは、排せつ状況を考慮して暖房洗浄便座に取替、洗面台は、今までの生活状況を考え車椅子用の洗面台から既製の洗面台に取り換えました。動線が悪くコンクリートで出来た寒い浴室は、大きく改修することが困難ですが、シャワー位置を変え、福祉用具を活用することで、こうした状況を少しでも解消できると提案しました。

また、歩行が可能なご本人のために、ADLを良く把握し安全性を十分に考慮した上で、生活がしやすいように、各部屋に手すりの設置位置を決めて提案しました。

5 これから住宅改修を考えている方へのメッセージ

障害の程度っていうのは個々人によってもすごくばらつきがあって、これができてこれができないっていうことが本当に人によって大きく異なっているし、自分自身でもよく分かってない部分も実はあったりするっていうのが実際だと思います。

私も色んな方の生活とか家とかを見せてもらうなかで、こういう工夫をしたらもっと使いやすくなるんだなとか「へぇなるほど」って思うこともすごく多くありました。

物理的にすごく大がかりな工事とか改修とかをしなくても、色んな知恵と工夫とかで乗り越えられる部分もあったりするし、けれどもやっぱり最低限ちょっと工事が必要だったり、手直しが必要だったりみたいな部分が当事者者自身もわかってない部分もすごく大きいんじゃないかなって感じています。

なので、色んな事例を見れるだけでも私自身は面白かったりとか、「あ! こういうところ取り入れたりとかできるな」とか知れる部分も大きかったりするので、色んなケースを見て参考になることって沢山あるかなって思います。

6 福祉住環境を学ぶ方へ

脊髄損傷になられた方でも、立位や、つかまり立ち歩行が可能な方もおられますので、在宅での生活を良くは話し合って、安全で快適な生活空間の確保した上で、体温調整や排せつの状況なども十分に考慮して進めて下さい。

また、公営住宅や賃貸住宅の場合は、原状復帰などの制約も多くなるので、大家さんや建築会社とのコミュニケーションを大切にする必要があります。

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