1 はじめに
脳性麻痺で全身に重い障害のあるMさん、へルパーのさん介助を受けながら公営住宅の車いす常用者世帯向けの部屋を借りて一人暮らしを行っています。
身体に障がいを持たれている方は年々増加しており2016年の統計によれば約429万人が在宅で生活されています。そのなかで 実際に一人暮らしをしている方は、その1割程度。重度のかたになるとさらに少なくなります。多くのが方が 介護の必要からご家族と一緒に生活をされていますが行政サービスや制度を活用することで、 一人暮らしをすることが可能です。
障がいを持つかたが一人暮らしをするにあたり、日常生活用具給付等事業の住宅改修費を活用することで、その方に合った住環境の整備を行うことができます。
2-1 住宅改修のポイント~段差解消~
現在 介護ベッドを置いてある洋室は、以前は40㎝程度 嵩上げされた和室となっていました。
自分の力で車いすからの移乗が可能なかたにとっては、少し腰を掛けるのにちょうどいい空間で、寝転んでリラックスすることもできますが、今回のケースにおいてはご本人の身体状況を鑑みて和室を解体し車椅子を使用できるスペースを広げるようにしました。
実際に和室を解体してみると、床も壁もレベルが悪く段差もできていたので木軸で床組みをして嵩上げしレベルも調整しながらフロアに高さを合わせました。
また壁の下地も整えて仕上げています。
空間が広がり、4方から介助もしやすい位置にベッドの置く位置を変えたことでご本人もより快適に過ごすことができるようになりました。
2-2 住宅改修のポイント~介助リフト~
トイレ用介助リフト
トイレの吊り具には 装着 脱着が容易で吊り上げた状態で下着の着脱も可能な脚分離型のスリングシートを使用しています。 肩甲骨で力を受け 吊り具全体で体重を支える構造のため、不快感が少なく 体幹も安定して吊り上げることができます。
装着については、吊り具を車いすと背中の間に差し込み上部を肩甲骨に合わせ大腿部を持ち上げ吊り具下部を 外から内側へ通します。通し終わったら 肩甲骨と脚を支えているスリングシートのストラップをそれぞれリフトのハンガーにかけていきます。
トイレのリフトは壁面に取り付けることで、足元がすっきりし介助者の動線や介護スペースの確保が可能となっています。
リフトを利用することで介助者の身体への負担を軽減し腰痛などの予防につながります。
また、介助者が無理することなく移乗介助が可能となるので介護される方も安心感を得ることが可能です。
入浴用介助リフト
入浴用の吊り具はメッシュ生地で、通気性がよく乾きやすいタイプのものを使用しています。からだを包み込むシートタイプなので、浴槽の中の浮力で お尻がずり落ちる危険がありません。
シートタイプの装着については、まず 車イスにスリングシートを敷きスリングシートを敷いた車椅子に使用者を移譲させます。 最後に リフトのハンガーをスリングシートのストラップがかけられる位置に合わせてハンガーのフックにかけていきます。
浴室のリフトについてはスペースが確保できるので、専用の支柱を設置し本体ユニットを取り付けました。
水道の水の力を利用する水圧式で、電気を使用せずに本体の高さを上下することができます。また、支柱は専用の先着座位で床面に固定するので浴室の防水機能を損なうことなく安心して入浴出来ます。
入浴用の介護リフトは安全な姿勢を保ちながら入浴することができるためストレスなく入浴することができます。
福祉住環境を学ぶ方へ
今回の動画では在宅でのリフトの活用について見せていただきました。
リフトの導入に関してはご本人の体幹と動作状況介護の現状を考察して負担の軽減について考えることが重要です。リフトの活用は、お子さんの成長に合わせて検討されることも多く導入することにより ご本人も介護者もお互いにより安心して安全な環境で生活を送ることができるようになります。
初めて導入を検討される際は、福祉機器の体験が可能な公共のリハビリ病院などの施設等で実際に在宅で介護支援を行っている家族やヘルパーさんとご本人とでデモンストレーションをしてみることが大切です。 吊り上げられることに不安をお持ちの方でも実際に体験してみると安心される方が多いです。
デモンストレーションの際にご本人に合っているスリングシートを見つけることも忘れないで下さい。
リフトの導入に当たり障害福祉制度においては、日常生活用具給付の「移動移乗用リフト」で本体が補助され「入浴補助用具」や「入浴担架」などでスリングシートが補助されます。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせ下さい。
また 介護保険制度をご利用の方は福祉用具の貸与(レンタル)で使用していただくことが可能になります。
セラピストの方のなかには、リフトを実際に使用したことが無い方も多数おられかと思います。ご本人の気持ちを理解してリフトを上手く活用するためにも吊り上げられる体験と介助体験をしておくことが大切です。
福祉機器が毎日の生活を大きく変える切っ掛けになることをぜひ体験して見て下さい。
福祉建築や福祉機器の
ご相談はお気軽に!
- 事故で車椅子の生活をするのに、今の家で生活が出来るか不安だ・・・
- 病気で麻痺があり、退院後の生活が不安で家族も心配している・・・
- 子どもに障がいがあり、子どもの成長とともに私の体力が不安だ・・・
- 建替えを考えているが、年を取った時の生活を考えると、大丈夫か・・・
- 両親の足腰が弱くなり、転倒して心配ごとが増える・・・
- 高台で道路から玄関まで階段があり、引っ越しも考えている・・・
- 賃貸住宅に住んでいるので、どうしていいのか良くわからない・・・
ご相談に対する、費用は一切かかりませんので、お気軽にお問合せ下さい。
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