毎日の入浴で要介護リスクが減る!

 介護保険や住宅助成を活用した浴室のリフォームは段差解消を目的とした、既存の浴室の撤去や浴槽・床の変更を対象としており、壁や天井は対象でないことからユニットバスのリフォームはある程度の金額が必要なため、「あと何年使うか分からないから」と躊躇される方が多くいます。
しかし、浴室・浴槽のリフォームが介護予防に繋がるとしたらどうでしょうか。

 千葉大学の八木明男氏らの研究グループが、全国18 市町村に居住する要介護認定を受けていない高齢者約1 万4,000 人を3 年間追跡した調査によると、入浴の頻度が高いほど要介護認定のリスクが少なく、入浴の頻度が週7 回以上の高齢者は、週2 回以下しか入浴しない高齢者に比べて要介護認定リスクが約3 割有意に低いことが明らかになりました。
 また、大阪健康安全基盤研究所、国立がん研究センターを中心とした研究グループによる、秋田県、岩手県、東京都、長野県、沖縄県に住む男女約3万人を対象にした19 年間の追跡調査では、浴槽に週5~7回浸かるグループは週2回以下のグループと比べて、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが約3割低下するという研究結果がでています。 

夏こそ入浴!夏バテ防止!

 暑い夏はどうしてもシャワーで済ませがちなお風呂ですが、入浴には筋肉や関節、脳の緊張をほぐし、快眠へのスイッチをオンにする役割もあります。私たちは体温が下がると眠気を感じるようにできています。そのため、入浴で体温を一時的に上げて、適切に下げることで睡眠の質を高め自律神経のバランスを整えることができます。自律神経の乱れは夏バテにも繋がってきます。夏こそ浴槽に浸かり、健康を維持に努めていきましょう。

 ただし、むくみや・血行の改善や睡眠の質を高めるなど健康効果が期待できる入浴ですが、夏の入浴は脱水症状に陥ったり、浴室で熱中症を起こしたりしないよう気をつける必要があります。特に、古いタイプの浴室や浴槽は段差が多く転倒の危険性もあるので、リフォームや福祉用具を活用するなどして、安心安全の住環境整備が求められます。

広報課課長 奥秋克海