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在宅介護を支援するまちづくり・住まいづくり
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在宅介護への移行と問題点
2000年に施行された介護保険制度も、制度全体の財政状況や、年々増え続ける高齢者数と制度自体の問題点の打開策として、抜本的改正を06年に行った。今回の改正で大きなポイントとなったのが「介護予防」の導入である。今まで要支援・要介護一と位置付けていた方々を中心に、予防すなわち介護状態にさせないための関わりや、サービス提供をするように改正された。それゆえに、それぞれのサービスだけでなく、関わるすべての専門職が今まで以上に細かなサービス提供に加え、「自立」を強調した意識づけや、サービス内容の改善を求められるようになった。
介護保険制度もこうして、変化しながらではあるが、確実に定着し「施設の介護」から「在宅の介護」へと移行しつつある。しかし、施設介護という「箱モノ」から在宅という「点」に移し変えることだけで、私達が二一世紀に目指す介護スタイルが見えて来るであろうか。
配偶者の死別、高齢期の離婚、非婚の高齢者など、同居する家族がいない一人暮らしの高齢者が増え続ける実態を考えると、在宅にいることを目指すだけではなんの解決にもならず、閉じこもりや、孤独死を生む危険性もあり、家族介護・施設介護が当たり前の日本の介護スタイルと、住まいのあり方自体を根本から組み立て直す時期に来ていると言える。
近年「地域」の重要性が問われ、まちづくりのあり方も震災時の緊急対応・防犯・安全・バリアフリー化・まちの活性化・文化交流と、多岐にわたったテーマにおいて議論し、そのうえで、福祉においては、すべてのテーマにおける個別の解決策とは別に、システマティックに考えあわせて進めていく必要がある。
21世紀のまちづくりは、ユニバーサル社会の実現に向けて「箱モノ」の行政主導に依存するのではなく、人の交流と融合による、安心で安全なまちづくりを基本として、在宅介護を支援するまちを築かなくてはならない。
在宅介護を支える介護建築
介護建築といえばよく「バリアフリー」という言葉に象徴されるように、段差を解消し、開口を広げ、手摺を付けることが一般的ではあるが、それが本当に「支援すべき形」であるかどうかが問題である。とくに中高年で後天的な疾患による障害を負った方などは、バリアを取ることがかえって本人のメンタルまでも下げてしまうことがありうることを忘れてはならない。
そこで、私たちが最初に取り組むことは、本人(要介護者)と家族の意思を「聞き出す」ことである。他人事のように話を聞くのではなく、疾患と症状を事前に調べ、現在の状態をよく把握し「相手の立場」であればどうかをよく考えて話しを進める。また、介護建築を必要とする場合の大半は、疾病にならなければ改修する必要が無い場合が多く、在宅介護に伴う金銭の負担も大きな問題になることを考慮する必要がある。
住環境整備のポイントとしては、動線を考えることにある。日常の本人の動きを考える訳であるが、建築においては「導線」と捉えてもらいたい。字のごとく最善のラインで導くことを、考慮し設計することが重要である。したがって、身体の状況等を十分に考慮し、その人にあった「導線」を検討したうえで、家具の配置やベッドの位置、動きにあわせの手摺位置を選定しなければならない。ただし、長年の生活習慣(慣れ)が強い方などは、現状の環境を優先させる方が良い場合もある。どのケースにおいても、人間の身体の動きを知ることは非常に大切なことであり、医学的リハビリテーションをよく理解したうえでの関わりが求められている。
手摺については、要介護者の多くは年齢に加え疾患による握力低下が著しい方が多いことも考慮したうえで、太さや素材等を選択し安全を確保する必要がある。
片麻痺の方が座位から立位に移行する場合、手摺を使用しても麻痺側の足が伸展気味になり、立位移行が難しい場合がある。この場合は、健常側の手で麻痺側の足を自分の方に寄せ、屈曲させてから立位に入るように注意が必要である。
段差解消をスロープで行うケースでは、関節症や筋力低下した高齢者の場合は、スロープ上で転倒することもありうるので、角度の設定と素材を考慮し手摺を併用するなど、安全を確保する必要がある。反対に先天的な視覚障害者の場合などは、段差を認識して行動されている方も多く、段差解消が逆に動き辛くさせることもありうるので注意が必要である。
在宅介護を支援する住まいづくりの重要性
先に述べたように、介護保険は、介護状態にさせないためのサービス提供をするように制度改正された訳であるが、その中で、住宅改修費の支給対象限度額の20万円においては、据え置きとした(改正後は申請を事前に提出させ、目的と方針をはっきり明示させるように変更した)。このことは、住環境が原因となる転倒、転落等で、要介護状態になることを避ける狙いがあり、改修は有効だと高く評価されたといえる。高齢者の転倒・骨折(特に大腿骨や脊椎など)は、大病に匹敵するのである。
最近の高齢者の動きを分析したデーターで、歩行時には、床から1.5pしか足を上げていないことがわかった。したがって、地面を「すり足」で歩行するため、転倒ディスクは高く、住環境整備の重要性は自立支援を含めた観点からも必要不可欠といえる。
最後に、在宅介護を支援する住まいづくりにおいて忘れてはならないことは、生活に密接にかかわることである。すなわち、「その人の人生」を左右すること意識しなければならない。介護建築=「バリアフリー」と言うような空間や形に捉われた短絡的な考え方をやめて、そこに暮らす方のメンタルや生活(QOL)を重視した建築を心掛け、場合によっては段差を残すことで、その方のメンタルを上げて、ADLを向上させれるだけのスキルが求められる。
福祉住環境の分野は、多様であるがゆえに、現場での臨床経験が非常に要求される。従って、専門家が少ない現状であるが、福祉と建築そして医療の分野を融合して「人」をキーワードにした、奥深い非常に素晴らしい学問分野である。
今後は、人材育成が何よりの課題であり、臨床経験を教育の場に活かせるように努めたい。
「サステイナブルな住まい 住宅白書2008」に掲載
関西総合リハビリテーション専門学校非常勤講師 朝尾
浩康
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日本には、約500万人の骨粗鬆症患者がいるといわれています。特に女性に多く、50歳代では4人に1人が、70歳代では2人に1人が骨粗鬆症です。また、現在問題に上げられている、約90万人といわれる寝たきりの原因の第3位が、骨粗鬆症による骨折なのです。(第1位脳卒中・第2位老衰)
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骨粗鬆症の発症
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骨粗鬆症とは骨量が減少し、骨がスカスカになり、ちょっとした転倒でも骨折を起こしやすくなった状態です。痛くもかゆくもなく、深く静かに進行していくので、沈黙の病気といわれています。骨は骨代謝により絶えず新しい骨に変わっています。古くなった骨を破壊する「破骨細胞」と破壊された骨を元の形に再生する「骨芽細胞」によってできています。この骨代謝のバランスが崩れた時に骨粗鬆症が起こります。
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骨の強度を保つ骨量は青年期になると増加の速度
が速まり、20代でピークに達します。その後加齢に
より骨量は減少していきます。女性は閉経によって
骨を保護する役割を担う女性ホルモンの分泌が低
下するため、骨量が急激に減少し、65歳〜70歳に
は青年期の最大骨量の50%まで減少してしまします。
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| 骨粗鬆症と住環境(転倒予防) |
骨折の原因のほとんどは転倒により起こっています。転倒の原因として、加齢よる身体的変化により、歩行が不安定になることが上げられます。
@歩行時、つま先がしっかり上がらず(約15mm)、小さな段差にもつまづき易い。
A平衡感覚が低下し、バランスを崩し易い。
B崩したバランスを回復する能力が低下している。などが上げられます。
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転倒を防ぐためためには、まず、つまずきをなくすための段差解消が不可欠です。大きな段差よりもむしろ、小さな段差や、カーペットのめくれなどが油断しがちで、つまずき易い要因です。また、身体の重心が大きく動く場所、片足立ちが必要な場所といった、トイレ、浴室、階段、玄関等には手すりを設置し、手掛かりとなるものを取り付けておきたいものです。浴室は床が濡れていることが多いため、滑りにくいタイル仕上げにしたり、滑り止めマットを敷くなど、滑らないための対策が必要です。
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| 骨粗鬆症の予防 |
カルシウムの摂取については、カルシウムとマグネシウムを、バランスよく取らないと、体に蓄えにくいことが、最近になって分かってきました。その割合は、カルシウム2に対してマグネシウム1が理想のバランスです。このバランスが崩れると、カルシウムを沢山とっても、骨からカルシウムが溶け出し、骨折や骨粗鬆症の原因になるそうです。
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骨盤は身体の中心で、上半身と下半身をつなぐ骨です。この骨盤を動かすことで、全身の骨が動き、刺激が与えられます。さらに歩くことは、骨に刺激を与え、骨を作る働きを活発にさせます。この骨盤と歩くことを意識した、効果的な方法が「モンローウォーク」なのです。
ぜひ、実践してみて下さい。
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